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備忘録&青臭い考えを書くブログ

シガテラを読んだ

古谷実シガテラを読みました。

 

きっかけは、、、

2週間程前、何か映画を観ようと思った僕は宇多丸のウィークエンド・シャッフルっていうラジオ番組で絶賛されてたヒメアノ~ルを借りて観ました。

そうしたらこの映画、絶賛されるだけあるとても面白い映画でして!!(特に最後のシーンなんか最高です。皆さんも是非!!)

TSUTAYAでマンガを借りて読んでみたらこれまた傑作!!

一緒に借りたヒミズも傑作!!

これは!!と思って色々ネットで調べたらシガテラも面白いらしいとのこと。

で、題名です。

 

読み終わったあとに、色々思ったことがあって、それを書き残しておきたくなってブログ書いてます。

以下、ネタバレを含むので読みたくない人は注意してね。

 

物語は主人公のバイク好きの荻野くんと荻野くんが通っている教習所で出会ったかわいい南雲さんの恋愛がメインです。

ただ、シガテラ(毒素に汚染された魚介類を摂取することで発生する食中毒)という名前の通り荻野くんの日常には毒が散りばめられています。

 

この2つの要素について書きます。

 

まず毒の要素としては、、、

例えば荻野くんがイジメにあっていること(後になくなりますが)。

南雲さんもそれとは違うところで危ない目にあいます。

終盤では荻野くんと元いじめっ子がヤクザの下っ端に拉致され殺されそうになったりもします。

上記以外にも色々な毒がサイドストーリー的に書かれています。

 

そして恋愛の要素。

やっぱり自意識っていうテーマが好きなんでしょうね、僕。

人との関係性で悩む。しかも、その原因が自分の自意識ってなんか好きです。 

 

すごく好きなところがあるので紹介します 笑

前述しましたが、終盤、荻野くんと元いじめっ子はヤクザの下っ端に拉致され殺されそうになります。

そこで荻野くんはいじめっ子に

「お前と出会ってから僕はこんな悪いことばかりだ」

と言うのですが

「おいおい それはお互い様だろ?オレ的にはお前と出会ってから信じられない事が起きまくってんだぜ?」

と逆に指摘されてしまいます。

よく考えると、たしかにそうだったのかもしれないと荻野くんは気づき、このままでは南雲さんを幸せにはできないと南雲さんに別れ話をします。

ただ、別れ話をしている最中に荻野くんは考えます。

不幸にする可能性と幸せにする可能性、、、

死ぬほど好きな人を幸せにできるかどうか?

 

「わかった!!!」

「答えは不幸になるまでがんばる!!!だ!!!」

「なるほどそーだ!!わかった!!完璧わかった!!そりゃそうさ!!がんばるさ!!だって死んでしまうからね!!!」

「OK南雲さん!!不幸がおとずれる寸前まで僕は!!君を超幸せにするぜえええええええ!!!」

 

まず基本的に「自分は一人で生きていく」といじけ気味の強い覚悟を決める。

そのうえでもし「一緒にいたいと」言ってくれる人がいたら心から感謝して共に生きる。

注意 決めた覚悟は絶対捨てない事

   ずっと心の奥にしまっておく事

ヒキョウだけど僕にはこれしかない

荻野くんはこの覚悟を決めて、今まで全然勉強していなかったのに受験のために勉強マシーンと化します。

ま、まぶしいぜ。荻野よ!!輝いているよお前は!!って感じですよね 笑

いいシーンです。

 

もうひとつ。

受験勉強を頑張った荻野くんですが失敗し、浪人することになります。

でも相変わらず南雲さんとは上手くいっており、本当に幸せだと感じています。

そこで、ある夜、夢をみます。

その夜 僕は夢を見た

見覚えのない男か女かわからない人に問いただされた

「ふふふ、、、本当にこのままうまくいくと思ってる?君は間違いなく不幸のかたまりなんだよ?」

「わかってるよ」

「あの子を不幸にするかもよ?」

「わかってるよ。その時は別れる」

「そんなことできるの?」

「できるよ。彼女のタメなら何でもできる」

「死ねる?」

「死ねる。親には悪いけど」

「夢だからって適当なこと言ってるんじゃない?」

「適当じゃないんだよ、、、だからまいってんだ、、、」

勉強しなくちゃ

勉強をして 大学に入って 社会に出て 大人になる そして、、、

ここから最終話になります。

最終話では荻野くんはもう社会人になっています。

荻野優介は変わった。

大人になって 望んで そうなった。 

そして南雲さんは妊娠しています。

しかし、もうふたりは付き合っていないのです。

荻野くんには婚約をする彼女がおり、南雲さんはもう荻野くんじゃない人と結婚しているのです。

そして荻野くんは思います

 南雲さんと別れて4年

この人とおつきあいして丸2年

僕はこの人が好きだ、、、

心から超愛している

やるじゃないか荻野優介

思いのほか立派になったじゃないか

あの頃 想像していた何倍もいい社会人になれていると思う

もう自分を過剰に疑ったり、、、しつこく問いただしたり、「不幸の源だ」なんてののしったりしなくなった

不安定のかたまりだった僕はもういない、、、

僕はつまらない奴になった

そこで高校時代、憧れだったドゥカティバイクが思い浮かぶのです。

そして、引っ越し資金が必要なのに、絶対迷惑はかけないからと買う宣言をし、彼女に愛してるよと言って物語は終わります。

 

たぶん人生ってそんなもので、学生時代どれだけ愛し合っていても、結婚する!!と二人で意気込んでいてもそう上手くはなりませんよね。

でも、なんか秒速5センチメートルを観終わったときのような喪失感がありましたね 笑

それに、この最後の愛してるよは高校時代のそれとは違うんですよね、なんか軽いというか。

僕は高校時代に叫んだ、恥ずかしいほどの熱い愛してるよが好きだったな。

たぶん、荻野くんは心の底から今の彼女を愛しているんだろうと思う。思うけど、なんか読んでる僕は不器用な荻野くんが好きだった。

まー、最後の愛してるよが言えるぶん大人になったという事なんだろうなー。

 

僕は未だに高校時代の荻野くんのように、自意識過剰気味(だと思っている)なため、高校時代の荻野くんに共感していたのかもしれない。

強さを得るためには、自意識を捨てればいいのかな?

でも高校時代の荻野くんのような感性はできるだけ失いたくないな。

 

ってここでしめたらキリがいいんだけど、余談的に書きたいことがあって。

こっから先はあんま意味ないので読まなくてもいいです 笑

 

6歳のボクが、大人になるまで。っていう映画があるんですけど、その映画の中で色んな特徴的なシーンが出るんですよ。

で、それがあとの伏線になるのかなと思うんですけど、全然出てこないんです。

シガテラの登場人物も結構そういう人が多くて、出てきたと思ったら1ストーリーでもう出なくなる人がいるんです。

なんかこれも人生っぽくて、今まで生きてきた中でなぜかわからないけど覚えてるシーンってありません?べつにそのシーンが自分に大きな影響を与えたとかじゃないのに。

実際の生活の中では、今のこの出来事が後にどんなふうに影響を及ぼすとかわからないわけで。

物語ならこれは大切そうだから覚えていたほうがいいのかなとかなんとなくわかるし、伏線の回収がうまかったら感動したりもするけど。

人生ってそうじゃないじゃん?

だからなんかそういうところがシガテラを読んでて「6歳のボクが、大人になるまで。」で感じた人生ってこうだよねポイントと一緒の部分でした。

 

まとめ

大好きな彼女との関係性について、自意識が原因で悩む高校生の荻野くんがとてもいい。

大人になった荻野くんもそれはそれでいい。

人生ってそういうもんじゃん?